サクラノート 〜いまにつながるみらい〜

公式サイト http://www.maql.co.jp/special/game/ds/sakuranote/

はじめに
 このページは 海外サイト http://www.cubed3.com/ 掲載のインタビュー記事を 開発会社アウディオ 上田晃さん、と cubed3 アダムさん(Adam Riley, Operations Director)許諾の元 @papalonia さんが翻訳したものを ゲームショップ1983で公開したものです。




原文:http://www.cubed3.com/news/16031

上田晃(DS:コンタクト)、植松伸夫(FF)、皆葉英夫(DS:ASH、FF9)、野島一成(DS:ヘラクレスの栄光、FF7)のような人々がDSのサクラノートに関わっているからには、世界中のパブリッシャーがこの「ドリームプロジェクト」の発売を待っていたと思われるだろう。しかし、残念ながら日本 でのセールスが芳しくなかったことと、翻訳が必要となる膨大なスクリプト、そして欧米における任天堂の携帯ゲームの独占状態の下降から、今のところ誰もこ のチャレンジに挑戦できていない。このゲームの発売を諦めきれないCubed3はアウディオ代表取締役の上田晃氏にこのタイトルについての詳細と、世間の 関心を引くためにお話を聞くことにした。

Cubed3 アダム ライリー(Adam Riley, Operations Director)(以下AR):このゲームのストーリーであなたのお気に入りはどこですか?

アウディオ代表取締役 上田晃(以下AU):メインストーリーから猫視点に移る時のエピソードの多くがお気に入りですね。後半における、幾つかの「大人の事情」に焦点を置いた場 面が特に好きです。大人の観客をターゲットとした場面なので。物語を通して伝わる感情が四次元の体験をさせてくれると思います。

AR:DSのどんな機能を使いましたか?なんでメインキャラクターをタッチペンで操作できないようにしたのでしょうか?

AU:通常のスタイルのゲームも作れるし、様々な入力機能を用いて全く新しいゲームを作り、新たな発想を表現する事も出来る、完全に開発側次第の作り方が できるという点で、DSというのは理想の機器だと思っています。しかしながら、すべてのゲームでDSの全機能をフル活用する必要はありません。サクラノー トにおいては、新しい入力スタイルを使わなくても十分に表現ができると考えました。我々はこのゲームを「物語の表現装置」だと捉えており、できる限りシン プルに行くことにしました。タッチペンは確かに便利ですが、本作ではメニュー画面の操作のみに使用し、ゲーム内においては従来のいわゆる「クラシック」な 操作を選択しました。

AR:幾つかの場面においては、猫や犬を操作できるようになりますが、この理由は何なのでしょうか?何か特別な背景がありますか?

AU:理由は二つあります。一つは「犬になりたい!」「猫になりたい!」という自分の願望です。仕事から戻った時、猫がソファに寝てるのを見ると羨ましく なりますよね?二つ目は、既に起きた出来事を違う視点から見ることで物語の流れを見直す楽しさに関連しています。FORZA3で、リプレイを「猫視点カメ ラ」から見ることができたら楽しいと思いませんか?(笑

AR:このゲームはノスタルジアに焦点を置いているように見受けられますが、このテーマはどこから来たのでしょうか?あなた自身、もしくは誰かの個人的な経験に関連しているのでしょうか?

AU:実は、「ノスタルジア」はメインテーマではありません!我々スタッフが少年だった頃の実体験やその頃に何を感じたかということをヒントにしていま す。ノスタルジアというテーマに特別注目したわけではなく、テーマはいつも「今」でした。子どもと大人の考え方を比較することで、おもしろいストーリーラ インを作り出せるのではないかと期待していました。この、子供と大人の考え方を比較するというのはとても良くあるテーマなので、プレイヤーが物語を理解し やすいのではと思ったんです。サクラノートでは、「何歳でも大事なのは、ハートだ」というメッセージを外に伝えたかったんです。

AR:なぜコンタクトのような2D視点を選んだのでしょうか?背景やマップデザインに慣れていたから、ということですか?

AU:結局のところ、2Dという選択は費用の問題と手作業関連の締切によって半ば自動的に決まりました(笑) 真面目な答えとしては、2Dは感情表現に適しているし、みんなドットアニメーションが大好きだからです。

もし日本に来ることがあれば、うな重を食べてみて下さい。日本の伝統的な食べ物です。うな重に使われているタレは、100年以上も同じレシピで作られてい るものです。同様に、我々が感覚的に、そして経験的に完成させてきた方法を捨てて、3Dという新しい方法を取ることは、プレイヤーがそれによって技術の使 い方やゲームの雰囲気に驚いてくれない限り、当然認められるものではありません。

そして、3Dを使うということは10倍の費用がかかることになります。我々はその画質向上がそれほどの投資に足るものかと自問しましたが、3D環境という ものがそれほどゲームを楽しくさせるのかということに確信が持てませんでした。例えると、アナログシンセとアコースティックギターを使おうと決めたジャズ ミュージシャンの考えが、それらが新しい電子楽器と比べていい悪いということではなく、単に違う感じの音が欲しかったから、みたいなことです。

AR:ファミ通によると、初週は2000本しか売れなかったとのことですが、なぜこのような事になってしまったのでしょうか?

AU:この売上を聞いて非常にがっかりしました。なぜなら、ファミ通という非常に有名なゲーム雑誌において10/10のレビュースコアを獲得していたから です。ほとんどの一般人やゲームファンがサクラノートという名前について何一つ知らなかったのです。これは2000本という売上の数字以上に後悔すること でした。

もし、サクラノートという名前を既に聞いたことがある人々がゲーム画面を見た上でおもしろくなさそうだと判断したことが2000本という売上の理由なら、 失敗は我々の側にあります。しかし、これまで私が関わってきたプロジェクトの関係者たちからは良い評価を頂いており、安心していました。

このゲームのどこが気に入っているかというと、自分が監修したゲームの中でこれが最も評価の分かれたものだからです。このゲームを気に入ってくれた人はク リアした後も遊び続けていてくれるし、ファンの中にはこのゲームのためのブログを立ち上げてくれた人もいます。このゲームにおける我々の願いは、フィード バックをもらえることでしたが、これは達成することが出来たようです。しかし、若者には人気がなかったです、おそらく物語がリアルすぎたからではないで しょうか。この若者たちが10年20年後にまたプレイしてくれることを願います。

AR:コンタクトよりも売れなかったことは残念ですか?

AU:何より、このゲームの対象としていたユーザー層が、このゲームについて全く知らないという事実が残念です。スタッフは知り合いなどに宣伝していまし たが… 人々が実際にプレイした上で好まれなかったのなら仕方ありませんが、もっと多くの人にこのゲームのことを知ってもらえれば、とおもいます。実際に買ってく れた人からの好意的な意見を聞くととても嬉しいです。この形でこのゲームを出して良かった、と。

AR:和田康宏さんがまだマーベラスにいたとき、任天堂やスクウェア・エニックスと比べて、マーベラスはまだゲーマーの信用やブランド力を得ておら ず、これがマーベラス製品の低いセールスに繋がっていると言っていました。これについてどう思いますか?もしくは日本のゲーム市場に何か問題があると思い ますか?

AU:確かにブランドというのは問題です、そして日本のゲーム市場にも問題があると思っています。おそらくこの問題はここ10年間かけて育っており、根が 非常に深いです。良くも悪くも、マーベラスはゲーム業界の波に乗れていません。そういう意味では不器用かも知れませんが、マーベラスは「今日、どのくらい 稼げるか?」よりも、「未来の為に種をまこう」と考えるソフトメーカーだと思っています。

ゲーム業界は非常に確立された文化であり、音楽や映画業界と同じように、ビジネスでもあります。日本では、メーカーはビジネスとしてしか捉えておらず、文 化であるという考えはほとんど持たれていません。重ねて言いますが、無から有を生み出すような開発者に重きが置かれるべきだと思っています。文化というも のは、どんどん押し寄せる様々な波に乗って行く必要があります。日本のゲーム業界は現段階から一歩進まなければ、10年、もしくは50年後には枯渇してし まうでしょう。今のままでは自殺行為です。和田さんは僕と同じような考えをお持ちですので、たまにこの件について話しあったりします。

AR:以前あなたは、このゲームは寝る前に本を読むように、リラックスしてプレイして欲しいと仰っていましたが、多くの人々は移動中にDSを遊びがちです。どうすればこのゲームについてのあなたの想いを伝えられるでしょうか?

AU:よくご存知ですね!ありがとうございます。サクラノートのターゲットは30-40代の方々です。彼らはファミコンでスーパーマリオブラザーズ、ゼビ ウス、ドラゴンクエストやファイナルファンタジーを遊んで育ってきた世代です。また、同時にインターネット世代でもあるので、無料で我々のゲームについて の話題を広めることができるツイッター、facebookやブログなどの利用者であるわけです。著作権の問題から、画像や音楽をアップロードするのは難し いかも知れませんが、言葉で伝えるのと同じように、少しずつでもサクラノートを宣伝できればと願っています。

AR:コンタクトの開発で学んだことが、サクラノートにおいて生かされたことなどはありますか?

AU:コンタクトで得たヒントから、アニメーションにおける光と影の表現を向上させることができるようになりました。欧米、欧州のXbox360やPS3 のゲームでは、光と影がふんだんに用いられています。これらのゲームには、日本のゲームにはないリアリズムが存在しており、非常に印象的です。これはハー ドウェアの能力だけによるものではなく、デザイナーの感性と表現力によるものです。例えば、DS画面でのアンチャーテッドのスクリーンショットを思い出し て下さい。解像度や色彩は多少低いかも知れませんが、静止画なら高性能機と比較してもかなりのものです。コンタクトとサクラノートでは、このレベルの表現 を求めていました。古臭いキャラクターの動きにリアルな背景を合わせることで、我々の求めるリアル且つ理想のイメージを目指しました。


AR:植松伸夫氏、野島一成氏、皆葉英夫氏が揃っているというのは素晴らしいチームですね!しかし、皆さんさぞかし忙しいスケジュールをお持ちだったと思います。どのようにして共同作業を実現したのですか?

AU:サポートメンバーにはかつて我々と組んでMoonやUFOを作ったラブデリックの倉島一幸さんがおりまして、色々な生き物や妖怪を描いてもらいまし た。彼による洗練された、でもどこか可笑しいアニメーションはどうでしたか?また、植松さんと野島さんにはそれぞれ多くの音楽とシナリオを書いてもらいま した。ゲーム作りはという仕事はhuman tasteに似たものがあります。 どれだけプロジェクトが大変でも、根っこではみんなゲーム制作が大好きなので、高いモチベーションを保って進めることが出来ました。これこそがゲーム作りの基準となるべきなのですが、残念ながら現在のゲーム作成の現場ではこのようなことは稀なケースです。

アウディオと私自身はこのような「自然な」取り組みでゲームを作ることができることこそが特権であるという信念を持っています。スタッフ全員と、ゲームを作りたいと思ったきっかけについて話し合うことで、開発を楽しむことができました。

AR:これだけ才能のある人々が開発に関わっている中で、対立や反対意見はありましたか?

AU:開発段階から私がリーダーでしたが、プロジェクト全体を通して特に反対意見といったものはありませんでした。対立が起きなかった理由は、どんな話し合いの前でもまず「我々がするべきではないのはこれこれだ」というポイントを挙げてきたからでしょう。

現代において、ゲーム業界の状態を憂う者としてどんなメッセージを世界に発信することが出来るでしょうか?また、ゲーム文化が終焉を迎えないと保証するにはどんなことができるでしょうか?これら二つの問題についてたまに和田さんと話し合うことがあります。

AR:サクラノートにおけるエンディングについてのあなたの考えはどうでしたか?単に物語が完結することなのか、プレイヤーに特別なメッセージを送りたかったのですか?

AU:プレイヤーにメッセージを送りたかったんです。最初から最後まで遊んで、数ヶ月でクリアして後は綺麗サッパリ忘れ去られるようなゲームは作りたくあ りませんでした。。物語が幸せとか悲しいとかは特に気にせず、それよりもプレイヤーの心に残るような物語を作ることを目指しました。

同時に、サクラノートについて考える時間、というのもゲームを遊んでいる内に入ると思っています。最近のゲームマーケットは、いわゆるゲーマー向け、と言 うよりも非ゲーマー、つまり特に苦労せずにゲームをクリアできる、ゲームのテクニックを磨くことを求めていないような人々に向けたものへとシフトしてきて います。クリアするのが難しいゲームは売れ行きが悪いのです。だからこそ我々はこのサクラノートを比較的簡単に作って、誰もがエンディングを見られるよう にしました。

我々は、プレイヤーがサクラノートを遊んでいない時でも、そのストーリーや世界観について思いを巡らせてくれることを期待しています。また、「犬、猫、 ボーナス」エピソードにおける新しい発見を楽しんでくれればとも思っています。物語やメッセージは基本的に日本人に向けたものなので、欧米の方々には伝わ りにくいかも知れません… が、日本人がシンプソンズを見て楽しむのと同様に、世界中の人々が「大人はちょっと年をとった子供なんだ」というメッセージを共有することが出来ればと 願っています。

AR:植松さんの作曲に何か意見をしましたか?また、あなたの考えが作曲にヒントを与えたことや、出来上がった曲に文句をつけたことは?

AU:ちょっとだけ影響を与えられたかも知れません。仕事から帰ってきた大人が、寝る前に小説を読んだりビールを飲んだりする感じに、もしくはライトノベルを読むような感じで遊んで欲しいと思っていますが、「ゲームであること」も保つ必要があると考えていました。

ファミコン時代を思い起こさせるように、移動には方向キーを使うようにしましたし、植松さんには子供の時にハマったようなスーファミの音楽を彷彿とさせる 戦闘音楽を作ってもらえるよう頼みました。この、「古めかしいゲーム的」なテーマこそが、悪と戦うヒーローを目指す少年を中心としたストーリーにした理由 でもあります。また、植松さんはこのゲームで初めてミニマル・ミュージックに挑戦してみたとのことです。サクラノートの音楽には植松さんの思いが込められ ていて、全体的に彼の新しい、独創的な音が散りばめられています。

AR:サクラノートは欧州(Rising Star Games)や欧米(XSEED)で発売されますか?

AU:アウディオが権利を持っていないので、はっきりとは言えないですね… 和田康宏さんがまだマーベラスにいた頃、海外発売をお願いしたことがあります(笑) このゲームはとても日本的なので、海外からどんな反応が来るのか楽しみではありました。アメリカ人も、ゲームをするときにソファでお酒を飲みながらとか、 ベッドで寝っ転がりながら遊んだりするんでしょうかね?そんな、国ごとのライフスタイルの違いがとても気になります。

AR:もし、サクラノートが欧米、欧州で発売されたらサントラCDも発売しますか?

AU:はい、日本版と同じように、ゲームに同梱出来ればと思っています。もし海外発売までの困難さえ克服できたら、全力でサントラ同梱を達成するお手伝いをさせていただきたいと思います。

AR:あなたにとって、ゲームの開発は何が元となるものですか?例えば、特別なテーマやメッセージ、もしくは個人的な経験などですか?

AU:サクラノートは特別なケースです、これは、ゲーム開発の経験が非常に豊富なメンバーが集まって作られてきたものだからです。まず、野島さんがシナリ オを考え、そこからデザイン、キャラの動き、音楽を作りました。私の場合、ゲーム開発のスタイルは情熱から来ています。まずジャンルとコンセプトアートを ざっと考え、そこから物語を作っていきます。物語については長い間考えると言うよりも、アイデアが突然降ってくる感じですね。そして、同時にBGMも思い つきます。全体のストーリーよりも、断片的なシーンを考えるほうが好きです。

コンタクトにおいては、最初の頃はハカセをナビゲーターにすることは考えていませんでした。物語について考えをまとめていた時、エンディングがまず先に思 いついたのでそれを一番先に終わらせました。でも、変わったバトルシステムやコントロール方法について考えるのはあまり好きではありません。

AR:Space*Agencyについて何か教えてもらえますか?とても面白そうなのですが、開発はどうなっていますか?

AU:関心を持っていただいてありがとうございます!Space*Agencyは目下製作中です。これは私のゲームにおけるお気に入りな部分を集めたもの で、且つ自分の制作してきたゲームの集大成となります。Space*Agencyには5つの大事な要素があります。それは;

1) サバイバル要素のあるアクションRPGである
2) 近接戦闘には剣だけでなく、銃も使う
3) 通常のRPGでは考慮されていない、戦闘以外でのスキルポイントも導入する
4) 物語の一つとしては、小さな南の島で海賊と戦った後、プレイヤーは宇宙に飛ばされます。この大きな飛躍がおもしろいところです
5) プレイヤーは暗い、放置された宇宙船で長い間一人きりの宇宙旅行を経験することになります。宇宙を旅する間、車でiPodを聞くような感じにラジオを聞くことができます。世界を旅するのとそれほど変わらない体験になるのではないでしょうか

実際の所、このゲームの詳細や発売日などは決まっていません。サクラノートの開発中に、植松さんの他にも多くのベテラン開発者と出会いました。なので、今 アウディオにおけるものよりも強力な開発チームを作ることも出来るという自信があります。これを読んでいる誰か、パトロンになりませんか?

AR:WiiやWiiWareの開発に興味はありますか?

AU:はい、チャンスがあればWiiだけでなく、他のハードにも挑戦したいと思っています。パッケージのゲームを開発する際に、多くのメーカーがそう簡単 には予算を出さないらしいことを残念に思います。これは、現段階の世界経済やゲーム業界の失速を考えて、非常に憂慮すべきことです。

逆に、ダウンロードゲームは開発費を抑えられるのでビジネス的にもOKが出やすいように思います。なので、Space*Agencyもダウンロード用に開 発した方が妥当なのかも知れません。WiiWare用にもオリジナルのゲームを作ろうかと考えていますが、オフィスやスタッフにかかるコストをどうするか というのが問題です。

AR:コンタクトをダウンロードゲームで発表したら売れると思いますか?また、これは可能ですか?

AU:たぶん… いや、そうですね、コンタクトを初めて遊ぶ人が増えるということですから。多くの人がコンタクトを遊んで、楽しんでくれたようです。長い目で見て、こんな に成功するとは思っていませんでした。発売された時に比べれば、人々の認知度がかなり上がっていて、良い評判をいただいています。なので、新しいバージョ ンを出せばもっと注目されるのではないでしょうか。

AR:将来的に、コンタクトの続編を須田剛一さんと作る予定はありますか?

AU:はい、いつでも準備はできています。でも、須田さんはいつも忙しい人なので(笑) 続編に関する私の個人的な思いとしても、いつかコンタクト2を出せればと思っています。コンタクトの世界観はハカセとニャンニャン抜きでは表現できませ ん!続編を作ることに関するビジネスの話を抜きにすれば、新しいコンタクトのゲームがあれば世界はもっと豊かになるはずです!

AR:木村祥朗さんは以前いたラブデリックのチームと活動したいと仰っていますが、あなたとしてはどうですか?

AU:最近、かつてのラブデリックメンバーと連絡を取ることが増えてきました。一緒に仕事をし始めてからもう10年以上になります。今となっては彼らそれ ぞれが経験を積み、様々な役職に付いています。彼らとミーティングができたら何が起きるでしょうか?とても興味深いです!

AR:Route24の西健一さん、VanpoolやAlphaDreamと組んでPostPet DSの開発をしたんでしたっけ?

AU:いえ、今回は違います。メーカーは同じマーベラスですが。彼らはそのゲームの開発と同時にサクラノートの開発を手伝ってくれました。和田さんは両方のプロジェクトを監修する立場でしたので、非常に忙しかったと思います。

AR:最後の質問です。あなたが若い頃は、どんなアドベンチャーゲームを遊んできましたか?何か海外ゲームをしたことは?

AU:子供の頃に初めて遊んだゲームは、メガドライブで1990年に発売されたスタークルーザーでした。家の中なのに、あれほどの冒険している感覚、そし て孤独感を味わったのはそれまでありませんでした。音楽も非常に素晴らしかったです!このゲームがSpace*Agencyも含め、私のゲーム作成のスタ ンダードに大きな影響を与えています。

今も海外ゲームは遊びます。ここ二年くらいXbox360のBattlefield: Bad Companyをオンラインでずっと遊んでいます。海外ゲームの色彩感覚は本当に素晴らしいものだと思います。音楽も、自然だけど特別なものがあって、い い気分にさせてくれる、多くの魅力があります。これまで遊んできた海外ゲームとしては、アーケードのペーパーボーイ、ファミコンのマニアックマンション、 ファミコンのふしぎなブロビー、3DOのアローンインザダーク、スーファミのソルスティスIIです。あと、ティム・フォリンの音楽が非常にお気に入りで す!(注:ティム・フォリンはソルスティスII、ロックンロールレーシングやプロックなどのスーファミゲームに関わりました)

原文:http://www.cubed3.com/news/16031